【解説】建具(窓・ドア)用語集 |部品名・部材名など

アイキャッチ-建具(窓・ドア・サッシ)用語集 サッシ工事の基本知識

建具関連の基礎的な用語を解説しています。ここで解説していないワードで、他の記事で詳しく解説しているものもありますのでサイト右上の「サイト内検索」も利用してください

この記事は「建築関係者」向けです。

解説する用語について

建具には様々な種類がありますが、ここで解説するのはどの建具にも共通する一般用語です。

サッシ施工図に関する用語は、こちらの記事で解説 【完全保存版】サッシ図の基本|見方・読み方徹底解説

補足

そもそも「建具」とは・・・
ドアや窓など開口部に設置される製品のこと。それを取り囲む額縁や部材などが含まれる場合もあります。また、住宅の障子や襖も建具に分類されます。
代表的な建具の種類は、金属製建具(アルミ、スチール)、樹脂製建具、アルミ樹脂複合建具、木製建具です。

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一般用語(窓、ドア共通)

窓:
室内に光や空気取り込むための開口部に設置する建材。サッシ枠と窓ガラスから構成される

サッシ:
窓の一部で、窓ガラスを囲むフレームの事。窓=サッシと表現する事もある。文脈から判断

ドア:
扉と枠(フレーム)で構成され、建物の出入口に使用する建具のこと

サッシ図、建具図:
建具専門業者が作図する建具やサッシの詳細図、施工図のこと。ドアの図面も含めてサッシ図と呼ぶことが多い

単窓、ポツ窓:
窓やドアが1枚で設置される状態。単体の窓

連窓:
横長のプロポーションで、単窓のサッシを横に2枚以上つないだ窓の納まり。方立連窓と中骨連窓がある

超連窓:
明確な定義は無いが20~30連窓以上の納まり。建物一周ぐるっと建具がリボン状に続くような窓の納まりなどの総称。

段窓:
縦長のプロポーションで、中間に無目を入れ縦に2段以上重ねた納まり

欄間:
一般的には「木造建築で天井と鴨居の間の格子などが取付てある所」という意味だがサッシやドアにおいては、主に出入り口のドアなどの段窓の上段の窓の事を指す。窓種は採光目的の場合はFIX窓、排煙や通風目的であれば可動窓が設置される。

建具用語集-単窓、連窓、段窓の違い

標準品、標準商品:
カタログ製品のこと。

オーダー品、オーダー製品、オーダー対応:
カタログに掲載が無い製品。またカタログの製作範囲の製品のこと

チリ:
建築用語で部材などの取合いにできる小さな段差のことである。建具工事でチリと言うと、室内側の枠と額縁とのチリ。もしくは外部側躯体と枠とのチリ(外チリ)のどちらかのこと

ホロー、ソリッド:
形材の中空部分のことをホローと呼び、ホローを持つ形材をホロー材。ホローの無いものをソリッド材と呼ぶ

勝ち負け、縦勝ち、横勝ち:
枠や障子などの部材の4方接合部でどちらが伸びているかを表す表現。サッシ枠や障子は縦勝ち、見切は横勝ちが標準的な納まり。図はFIX窓で縦勝ち。

建具用語集-チリ、ホロー、ソリッド、縦勝ち

部材用語(窓・ドア共通)

水切:
窓やドアの下枠の下部に設置され、雨水をうまく流し漏水を防ぐ付属部材。また雨水が壁面を伝ってできる汚垂れを防ぐ。材料は窓の下枠と同材料となるのが基本。アルミサッシの場合はアルミ、スチールサッシの場合はスチール、ただし水切は断熱性能に影響が無い為、アルミ樹脂複合と樹脂の場合は、耐候性を重視してアルミ。また、掃き出し窓やドアなど人に踏まれる事が想定される場所ではステンレスが採用される

建具用語集-水切、見切、額縁、膳板、押縁

額縁:
サッシやドアの室内側の枠周りに取付けられ、内装の仕上げとの納まり調整をする付属部材。材質は部屋の用途で使い分けられるが木、アルミ、スチールが一般的。

膳板、下額縁、ペリカバー、ペリカウンター:
下枠の内側に取り付けられる額縁。縦額縁や上額縁と区分けせずに単に額縁と呼ばれることも多い。オフィスのペリメーターゾーンに設置される下額縁を特にペリカバーやペリカウンターと呼ぶ

外見切、見切縁、雨切材、外額縁:
サッシやドアの室外側の枠周りに取付けられ、外壁の仕上げとの納まり調整をする材料。アルミやスチールなどサッシやドア本体と同材料。基本は止水性を重視して横勝ちとなり、見切と枠との間は止水目的でシールが打設される。

押縁
ガラスを固定するための部材。アルミや樹脂サッシは篏合(はめあい)で固定、スチールサッシはビスで固定

建具用語集-方立、無目、たて骨、障子、召合せ框、戸先框

方立、連窓方立:
連窓で単窓同士をつなぐ柱のこと。窓やドアの枠を支える役割を持つ為、H寸法が大きくなるとサイズも大きくなり太くなるのが特徴。

詳細はこちらをどうぞ:【解説】方立と無目の基本|標準納まりのポイント

たて骨、中骨:
上枠と下枠の間に取り付けられ、開口壁材と接しない部材のこと。方立に似ているが方立より安価でスリムになる
【Q&A】方立とたて骨の違いを教えてください(整備中)はこちら

無目、段窓無目:
段窓の間に設置される横材のこと。無目を設置することで、ガラス一枚のサイズが小さくなり構造的に安定しH寸法の高いプロポーションを実現できる

障子:
開き窓や引戸の可動部分のこと。戸のこと

框(かまち):
戸や障子を構成する4方のフレーム。上框、下框、縦框から成る

召合せ框:
縦框の中で、引違い窓や引戸の中央で重なる部材、また両開きドアの中央で合わさる部材

戸先框:
障子を閉じた際に枠に接する縦框のこと。引き分けの建具においては中央で合わさる部材

部品用語(窓・ドア共通)

建具用語集-ガスケット、セッティングブロック、AT材、バッカー、アンカー、シーラー

アンカー、サッシアンカー:
溶接で建具を納める場合に枠を躯体に固定するための鉄製部品です。枠の裏側見え隠れ部分にビス止めやクリップ固定で設置

セッティングブロック
下枠や下框のガラス開口内に設置される、ガラスの自重を支持するための副資材

シーリング材、コーキング材、シール:
気密や水密を目的とするペースト状の材料。建具においては主に、枠と水切の隙間、枠と外壁の間に打設が必要
【解説】サッシ枠形状一覧|RC枠、ALC枠、同面枠、鉄骨枠の使い分け はこちら

バッカー、バックアップ材:
シーリングを施工する際に使用するシール受けの材料。シール深さ調整と3面接着の防止の役割

グレイジングガスケット、グレイジングビード、グレイジングチャンネル:
枠や障子とガラスの目地に設置されるに定形シーリング材。シールよりも厚みを薄くできるため、同じガラス溝幅でも厚いガラスを施行できる。また柱前など現場でシール打設出来ない場合にも使用する。チャンネルは内外が一体になったコの字型の部品である

AT材、ATゴム、エアタイト材、気密材、気密ゴム:
一般ユーザーからはゴムやゴムパッチンなどと呼ばれる部品のこと。枠と障子や扉の間に設置され、気密や水密性能を高める。材質はEPMと呼ばれる黒いゴムが一般的だが、ドアで使用されるようなスポンジ状のゴムもある。

結露排水弁:
室内側の枠に溜まった結露水を外部に適排水する為の部品。枠に直接穴をあけると外気や雨水が流入する為、排水穴を適切に防ぐ逆流防止機能付きの樹脂製部品

裏板:
枠などの部材に部品を取り付ける為に、見え隠れ部分に設置される鉄やステンレスの補強板です。アルミサッシの枠は1mm程度と非常に薄いため、直接ビスを打っても力がかかると外れてしまう

丁番:
開き窓や扉を支え、開閉を制御する金具。丁番が使用されるサッシは、外開き窓、突出し窓、外倒し窓など。ドアは丁番ドアと呼ばれる。基本的には外部側に露出する為、ドアでは丁番を隠すように枠や扉形状を変更する事もある。

シーラー、シーラー板、マットシーラー:
サッシの枠や障子の4方の接合部の止水をするために挟み込む板状のゴム材。縦横の部材の間に挟み込みビスで固定し規定の量を潰すことで性能を発揮する定型のシーリング材の一種。但し鋼製建具の四方枠は溶接が基本のため、シーラーは使用しない

窓、サッシ関連用語

【完全保存版】窓種(開閉形式)全38種類を解説|特徴と技術情報 はこちら

はめ殺し窓、FIX窓:
枠にガラスが入った開閉できない建具で、姿図に「F」と記載されるか「→」など開閉記号が無いことで見分ける

隠し框:
障子や扉が閉まった状態で、室内側から框が見えない状態になる納まりの製品の総称。外部から見るとFIX窓と可動窓が同じ意匠に見える高価格帯の窓商品

クレセント、クレセント錠:
引違い窓、上げ下げ窓などに使用される住宅でもよく見る錠の名称。語源は三日月(crescent)。昔は金属製だったが、最近は樹脂製が主流。また基本はロック付きで、利用者に自由に窓を開け閉めさせない時はキー付の部品もある。防音サッシで使用されるグレモン型クレセントなど特殊な部品もある。

サブロック、補助ロック:
引違い窓などの下框につけるクレセントの補助となる部品。ダブルロックとなり、防犯性がアップする

換気ストッパー、開口制限ストッパー:
引違い窓などを少しだけ開ける状態にするロック部品。下框にオプションで設置。小さい子供などが外に出るのを防ぐ

指はさみ防止ストッパー、回転ストッパー:
引違い窓などの障子を閉める際に指を挟む事故を防止するために、枠と障子の間に設ける緩衝材部品。メーカーオプションで設定されている

戸車:
引違い窓や下レールタイプの引違い戸などの下框に仕込まれた車輪状の動作部品。動きが悪かったり、動作が重いなどの場合にこれを調整することで改善するケースが多い。

引手、大型引手、ユニバーサルハンドル、レバレッジハンドル、サポートハンドル、アシスト引手・把手:
引違い窓などの戸先框に設置される引手の種類。後ろ4つはてこの原理を利用して、開けるときの初動を軽く出来るオプション部品。大きな窓を高齢者などが利用する場合に特に有効。メーカーで呼び名は色々。

風止板:
引違い窓などの上枠に付いている、風の侵入を防ぐ部品。通常は気にしない部品だが、音鳴りなどが酷い場合の対策としてこの部品を変えると効果がある事が多い重要な部品。

カムラッチハンドル:
開き窓のハンドルの中でも窓を閉じるときに固定部品が1点のみのものを指す

グレモンハンドル:
開き窓のハンドルの中でも窓を閉じるときに固定部品が多点のものを指す。気密や水密性能を上げる場合に使用される。ドアのグレモン錠は見た目が大きく特徴的だが、サッシのグレモンハンドルは通常ハンドルとほとんど変わらずぱっと見でわからない。グレモンハンドルかカムラッチハンドルどちらを選択するかは、サッシの種類やサイズで制定されるためメーカーにお任せで構わない。

開口制限ストッパー、小開口ストッパー:
開き窓の開放寸法を制限する部品。約100mm以下位に設定されており、小さい子供が外に出ないようにするための部品。窓の有効開口面積に影響する為、排煙として利用する開き窓の場合は注意が必要。

開き調整器:
開き窓を任意の位置で止めたい時に、使用する調整用部品。外開き窓は開き調整器が無いと、開いた所で止まらないが、縦すべり出し窓はフリクションステイの摩擦で任意の位置で止まるため、調整器無しでも通常使用は問題ない。

フリクションステイ、シックスバーヒンジ、ヒンジ:
縦すべり出し窓の上下枠、横すべり出し窓の両縦枠に設置される窓を稼働させる部品。外開き窓で戸尻側の縦枠に設置される丁番とは違い、戸尻側も少し開くため室内から窓ガラスの清掃が出来る特徴がある

トップラッチ、タッチラッチ:
手動で開放する外倒し窓の上枠と上框のロック部品、手で操作する事で窓を開放できる。

排煙錠:
火災時に使用され、床から上方80cm~150cmの高さに設置される錠。取手を操作し、窓を開放する

排煙オペレーター:
目的は排煙錠と共通。操作性が良い為、排煙錠の上位互換の位置づけ。よっぽどコストを削りたい時以外はオペレーターを使用する。住宅では排煙錠を使用する事もよくある。

オペレーター部品、排煙金物:
排煙窓関連の部品の総称。サッシ枠に設置されるダンパーや滑車、窓の開閉を制御するワイヤーの事。オペレーター操作ボックスは排煙金物には含めない。

バランサー、スパイラルバランサー、ワイヤーバランサー:
上げ下げ窓の障子が落ちてこないように、任意の位置で止める枠に仕込まれた部品。ワイヤータイプもあるがスパイラルタイプが主流。消耗品の為、約10年で交換が必要。上げ下げ窓の障子がギロチンのように落ちてくる事故も発生している為メンテナンスには注意。

表面処理:
アルミサッシは陽極酸化複合皮膜が多く、スチールサッシは現場塗装や焼付塗装、樹脂サッシは樹脂が着色されているため表面処理はない
【解説】アルマイトって何?サッシの表面処理について詳しく解説

ヘアライン、ダイスマーク:
ヘアラインは、一般的に良く知られるのはステンレスに単一方向に細かい傷をつける表面処理方法。ただし、アルミ形材におけるヘアラインはダイスマークとも呼ばれ、形材を押出する時に出来る細い凹凸の事で、これは自然にできる為無しにすることはできない。曲物など押出材では無い材料は逆にダイスマークが無いマットな表面となるので、形材と曲物を一緒に使う時は注意が必要。

ドア関連用語

【解説】ドア全12種類を解説|特徴と設計のポイント はこちらをお読みください

中桟:
障子や扉の横方向の材料のこと。ガラスを2枚に分ける事が出来、よく使われる事例は下段のみをすりガラスやパネルにする、またガラリにし通風するなど

沓摺(くつずり):
ドアの下枠のこと

フランス落し:
両開きドア、親子開きドアの子扉側を固定する金具です

順位調整器:
両開きドアで左右の扉を同時に閉める際に、扉が閉まる順序を制御する部品。上枠の中央に設置し内観に露出する

押板、押棒、引手:
開きドアの扉や框につく操作把手。サッシメーカー制定品で選択できないこともあるが基本はユニオンなどメーカー品から選ぶ。ジュケンというユニオンよりかなり安いメーカーがあるのでコストダウンに利用できる。

ケースハンドル:
レバーハンドルに比べて、フラットな形状の操作部品。通常使用しない扉でよく使用される

グレモン錠:
防音ドアに使用される、ロック機能とハンドルが一体となったレバーハンドルの一種。通常のレバーハンドルよりも大きく、操作に連動して縦のロッド部品が動き、上下の枠に扉を強固に固定する。これにより気密性が向上する。グレモンハンドルが取り付けられたドアは、パーフェクトエアタイトドア(PAT)と呼ばれる。

フロアヒンジ(FH):
自由開きドアを自動で閉める装置。床に埋め込む為部品が露出しないが、ドアの内外がフラットの納まりのみで使用可能なため、気密水密のあるドアでは使用できない

オートヒンジ(OH)、オート丁番:
開きドアを自動で閉める装置。丁番形状で内部に閉鎖装置が仕込まれているため、通常の丁番にくらべかなり大きいので注意。使用すればドアクローザーが不要になる

ピポットヒンジ(PH)、軸吊ヒンジ:
開きドアの開き金物の一種、機能は丁番と同様。上枠と下枠のみに設置されるため丁番より意匠性に優れる。フロアヒンジなどと異なり自動閉鎖機能は有さない

ドアクローザー(DC):
開きドアを閉鎖する装置で最もポピュラーな商品。選択のポイントは3点。外開きで室内側に設置する「パラレルタイプ」と外側に設置する「スタンダードタイプ」がある。また扉が開いた所で止まる「ストップ付き(S付)」と「ストップ無し」がある。最後に、強風などで扉が急に開かないように煽り止め機能の「バックチェック」付、無しがある。サイズは扉重量から決定されるが、色は選択可能。

コンシールドドアクローザー:
ドアクローザーの一種で本体を枠と扉の中に隠蔽する。ホテルの各居室の扉などで良く使用される。隠蔽するために扉を切欠く為、枠形状等に注意が必要。また通常のドアクローザーより、スピードなどの調整が難しい

レリーズ、電磁レリーズ:
常開防火扉に使用され、扉を開放したまま保持し、火災時に煙感連動で保持を解除する部品。建具工事外でレリーズ裏板まで建具工事の場合が多い

ヒューズ、温度ヒューズ:
火災時の温度上昇により、ヒューズメタルが溶断され扉を自動的に閉鎖する。約70度で作動する

引戸クローザー
上吊りの引戸を半自動で閉める装置

吊車、戸車:
上吊りの引戸をスムーズに可動させるための動作部品。上枠内部に仕込まれたレールの上を滑る

ガイドローラー:
上吊りの引戸の下部に取り付けられ、扉の下部の振れを防ぐローラーの付いた部品

駆動装置(引戸クローザーの):
引戸クローザーの閉鎖機能の動力部分。これを外しても手動のハンガー引戸としては利用できる

制動装置:
上吊り引戸が最後閉まりきる瞬間にスピードがゆっくりになる機能を持つ装置

両面フラッシュドア、片面フラッシュドア:
内外ともに化粧面のある扉を有するドアが両面フラッシュドア。扉内には力骨や面材が入っており強度を保持している。逆に片面のみ免罪を有するものを片面フラッシュと呼ぶ。コストが安い為、内部側が人の目に触れることがないメンテナンス扉やガスチャンバーなどで採用される

ガスチャンバー、メーターボックス:
マンションやアパートのガス、電気メーターなどを納めるスチール製建具。片面フラッシュドア

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