このような疑問をお持ちの方におすすめの記事です。
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- 換気計算の開口部の面積ってサッシW×サッシHで良いの?(建築基準法第28条2項、居室の床面積の20分の1以上)
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サッシの有効開口寸法の押え位置
開き窓の法規チェック有効開口寸法
有効開口の押さえ位置と計算方法(換気計算)
【一般的なビル用サッシ】
左図は、一般的なビル用サッシの縦すべり出し窓、姿図と右縦枠の詳細図です。詳細図のピンクが縦枠、水色が障子です。開放時障子は開きますが、サッシのW押えより内側に20mmのヒレがあり、その内法が有効開口寸法となります。本図では「サッシW-40mm」が有効開口ですが、メーカーや窓種でヒレの見付は異なりますので、一般的には有効開口幅「サッシW-70mm」有効開口高さ「サッシH-35mm」程度で考えておくとよいでしょう。
【高意匠サッシ(隠し框)】
右図は、高意匠サッシ(隠し框)と呼ばれる製品です。代表例はLIXILのE-SHAPE、三協のARM-S、YKKAPのSYSTEMAなどです。詳細図のピンクが縦枠、水色が障子です。有効開口幅は「サッシWと同じ」有効開口高さは「サッシHと同じ」となります。
【住宅サッシ】
図はありませんが、住宅サッシも同じ考え方です。有効開口幅は「内法W寸法と同じ」有効開口高さは「内法H寸法と同じ」となります。住宅サッシのサッシWHはビル用サッシと違い外法押さえなので注意が必要です。
但し、建築確認申請においては、実際に採用される製品が決まっていないことも多いため、有効開口換気面積=サッシW×サッシHで計算をして結果に少し余裕を持たせておくのでも良いと思います
開き窓を排煙窓として利用する場合(排煙計算)
縦すべり出し窓や外開き窓は落下防止措置として開口制限ストッパー(セーフティストッパー)を付けるのが基本です。排煙窓としての利用は注意が必要です。開口制限ストッパーを考慮して排煙有効開口寸法を少なく計算するか、有効開口を100%で計算するなら全開放できる仕様とする必要があります。
【開口制限ストッパーを考慮する場合】
排煙有効開口寸法は「100mm」で計算をします。この寸法はサッシメーカーや製品によって異なります
【排煙時に全開放できる仕様とする場合】
使用者が限定される場合は、全開放⇔開口制限が容易に切り替えできる部品を設置すれば良いです。不特定多数が利用する場所では、だれでも全開放⇔開口制限の切り替え操作が出来ると危険なため、切り替え部品にカバーやカギを付ける必要があります。そうすると解除部品のカバーを外す→解除部品を開ける→窓を開けるという3ステップとなり、排煙窓としてOKか消防へ確認が必要です。
引違い窓の有効開口寸法(換気計算)
引違い窓では、指を挟まないように引残しが設定されています。本図では引残し50mm、召合せ框40mmなので有効開口W寸法は「サッシW1/2-70mm」となります。引残しや框の見付は製品により異なるため、有効開口幅は「サッシW1/2-100mm」程度で考えておくと良いでしょう。
また、有効開口高さは「サッシHと同じ」です。
有効開口率とは
ガラリの有効開口率・有効開口面積の求め方
「有効開口率」はガラリで使用される用語です。有効開口面積=サッシW×サッシH×有効開口率で求めることが出来ます。
施工図の姿図などにサッシのWHと有効開口率の記載が有りますので、有効開口面積を求めることができます。開き窓の解説で触れたように、一般的なサッシにはWHの内側に枠のヒレがありますが、有効開口率はヒレを考慮したパーセントなので気にする必要ありません。
製品が決まっていない段階では一般的な30~40%で見積もっておけば良いでしょう。
ガラリの有効開口面積が足りない場合
有効開口が足りない場合の対策は以下の通りです。
- WHサイズを変更。最も一般的
- 有効開口率が大きな製品に変更
- 羽根の形状を変更
- 羽根のピッチを変更
3の羽根の形状は、スチール製建具だと変更が出来ます。アルミ製だと羽根形状の変更オプションがあるかによります。羽根の勾配が緩くなると開口率は大きくなりますが、雨が吹き込みやすく、ダクト内も見えやすくなるので注意です。また4の羽根ピッチは効果が薄いためオススメはしませんし、あまりピッチが広いとダクト内が見えやすくなるうえに、鳥が巣をつくることがあります。
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