この記事では、RC造のサッシ納まり図のチェックポイントと、納まりの応用事例などを解説します。
こんな方におすすめです。
- 初めてRC納まりのチェックをする設計者、若手の現場担当、施工図関連業務の方
- 若手のサッシ屋さん など
納まり解説について
本記事のポイントは以下のとおりです
- RC造サッシの一般的な納まり詳細図のチェックポイントを解説
- 本図は「アルミサッシ」ですが、ほかの種類のサッシでも使える基本的な考え方を解説
- 寸法はあくまで「一般的な数値」です。実際の建具製作業者により異なりますのでご注意ください
専門用語やサッシ図の見方はこちら【完全保存版】サッシ図の基本|見方・読み方徹底解説
RC抱き納まり(コンクリート打ち放し)
標準納まり

最も一般的なアルミサッシの「RC造コンクリート打ち放し」納まり標準詳細図です。
- 抱き納まりはサッシがセットバックしており雨仕舞が良く、サッシ枠周りの外部はシングルシール
- サッシ枠の固定は、アンカーと埋込アンカーを鉄筋棒で溶接。鉄筋のみでは強度不足のため、枠周りにモルタル充填
- サッシ枠と躯体のクリア(=逃げ寸法)は溶接が出来る寸法を確保。枠外から躯体まで最低25~30mm以上。ただしそれ以下でもアンカー形状変更で対応可能な場合も
- 躯体との外チリは上20mm縦15mmが一般的。可動窓や網戸付きで無ければチリは小さくできる
- 水切は建築工事標準詳細に倣い「正面(見付)シールタイプ」だが、実際は「一般タイプ」が主流。正面シールタイプは外部目地を綺麗に通すために、躯体精度が必要
- 水切と躯体のチリは汚垂(雨だれ汚染)れ防止のため15mm程度確保。本図は形材だが出幅200を超えると規格品がなく曲物となる。水切出幅が大きい時は適切に溶接できるか確認
- 室内側のサッシ枠と額縁のチリは下0mm、3方15mmが標準的。変更も可能だが、枠とアングル一体の場合変更できない
水切を躯体の手前で止めた事例
躯体の切欠き、飲み込み無しのため、取合いシール部から汚垂が2本出ており外観上良くありません。また、天端シールとなるため経年劣化による漏水の危険性も高いです。意匠的な理由で採用される場合もありますが、雨がかり部での採用は止水上のリスクがあるため注意が必要です

応用納まり:上枠躯体形状

雨仕舞を向上させる応用納まり2案です
左図は、建築工事標準詳細に倣った納まり。室内側にサッシ本体をセットバックさせ、抱き寸法を大きく取りアゴの中間に水切目地を追加します。
右図は、サッシの出入りと抱き寸法を大きく変えずに水切目地を追加する方法。網戸との干渉が無いように、目地を大きめに(本図では25mm)設定します。
応用納まり:下枠水切形状

水切の納まり2パターンです。
左図は「一般タイプ」水切で最も一般的な納まりです。標準図が正面シールなのに対し、見上げシールです。通常一般タイプ水切は規格品で立下りが10~20mm程度(本図15mm)。そのため、下部躯体とモルタル埋めの継ぎ目が外部に露出します。
右図は「立下りタイプ」水切で「一般タイプ」で躯体とモルタルの継ぎ目の露出を改善する納まりです。その分見付が大きくなる(本図40mm)事と、規格品のバリエーションが少なく、出幅によっては曲物でコストアップとなる点に注意が必要です。
タイル抱き納まり
標準納まり

アルミサッシの「タイル抱き納まり」標準詳細図です。
基本的な納まりのポイントやチェック項目は、「RC抱き納まり(コンクリート打ち放し)」と共通です。
異なる点としては、サッシの寸法がタイル割りから決まることです。
応用納まり:ダブルシール

外部シールについて、タイル厚があるためサッシがRC枠だと見付が小さく、シールがタイルとサッシ枠間に打たれます。止水性を向上させる目的でサッシ枠とRC躯体の間にシールを打設するため、見付の広いALC枠を使用する事例です。
RC枠とALC枠の違いが分からない方はこちらの記事をどうぞ 【解説】サッシ枠形状一覧|RC枠、ALC枠、同面枠、鉄骨枠
タイル同面納まり
標準納まり

アルミサッシの「タイル同面納まり」標準詳細図です。「面納まり」、「面一納まり」も同義です
- 同面納まりは雨が窓に直接かかるため、窓種の選択が重要。また外部サッシ枠周りはダブルシール
- サッシ枠の固定は、アンカーと埋込アンカーを鉄筋棒で溶接。鉄筋棒では強度不足のため、枠周りにモルタル充填
- サッシ枠と躯体のクリア(=逃げ寸法)は溶接作業寸法を確保。枠外から躯体まで最低25~30mm以上。本図は30mm確保するために躯体の室内側をアゴ状に欠き込む
- サッシ枠の見付(本図では上枠35mm、縦枠30mm)が見えるため、隠し框の高意匠サッシだと意匠性が向上
- 同面のため水切を設けないことも可能だが汚垂防止目的で一般タイプの小さな水切を付ける方が良い
- 室内側のサッシ枠と額縁のチリは下0mm、3方15mmが標準的。変更も可能だが、枠とアングル一体の場合変更できない
応用納まり:タイルが厚い場合

厚いタイルや石貼りなどで、躯体とサッシ枠間にシールが出来ない時はフラッシングを使用します。採用頻度が低い納まりのため、フラッシングの規格材がない場合が多く、ALやSt曲物で物件ごとに形状を決定します。建具工事で手配するためサッシ枠とフラッシング間の三角シールも建具工事。三角シールと建築工事の現場シールは触れることが想定されるので、接着性を考慮し工場シールの材質に注意がひつようです。シールの選定についてはこちら【解説】サッシのシーリング材|種類・選び方のポイント
断熱材を厚くする方法
額縁と躯体の間の断熱材が薄い場合に、左図のように額縁を使用せずボードを枠にぶつける。もしくは、右図のようにサッシ枠と額縁のチリを小さくする(本図はチリ0mm)場合があります。断熱要求が高くなっているためこのような納まりが増えています。

S造サイディング納まり、ECP納まり
S造サイディング納まり、ECP納まりの標準図のポイントはこちらの記事をお読みください





コメント
見習い設計士です。
大変勉強になります。
お忙しい中コメントありがとうございます。今後もお役に立てる情報を追加していきます