結論から言うと、一概に決まるとは言えません。
正確にはガラスの色と、Low-E膜の種類(色)と位置によって決定します。
この記事では、よく混同される「日射遮蔽型」「日射取得型」「遮熱タイプ」「断熱タイプ」について解説します。
ガラスの種類やLow-E膜について詳しくはこちら【解説】窓ガラス全16種類|特徴と選び方
「日射遮蔽」「日射取得」を分けるのは「日射熱取得率」
まず定義ですがJIS(日本産業規格)で定められた日射熱取得率(η値)という指標で決まります。数値が小さいほど熱を遮ります。
- 日射遮蔽型: 日射熱取得率が 0.49以下(日射を半分以上カット)
- 日射取得型: 日射熱取得率が 0.5以上(半分以上の熱を室内に取り込む)
単純に濃いガラスは、日射を反射・吸収するため数値が下がるため「ブルー」「グリーン」「ブロンズ」などは「日射遮蔽型」に分類されやすくなります。逆に、「ニュートラル(クリア)」は熱を通しやすいため「日射取得型」になりやすいです。
Low-E膜の位置で「遮熱タイプ」「断熱タイプ」
ここが混乱の元ですが、メーカーが呼ぶ「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」は、Low-E膜がどちらのガラスにコーティングされているかで決まります。
- 遮熱タイプ(外側ガラスにコーティング):太陽熱が複層ガラスの空気層の前でブロック。日射を遮るため、主に夏場の冷房効率を重視する地域や、西日の当たる窓に適する
- 断熱タイプ(室内ガラスにコーティング):太陽熱を空気層まで取り込む。冬場の温かさを優先する地域や、南面の窓に適する

なぜ「ちぐはぐな表現」が生まれるのか?
ガラスの種類を選ぶときに「遮蔽型で断熱タイプ?」などのちぐはぐな表現が出るのは、「JISの性能区分」と「メーカーの商品名」が混在しているためです。
例えば、ニュートラル色(熱を通しやすい)でも、Low-E膜を屋外側(遮熱タイプ)にすれば数値上は「日射遮蔽型」になることがあります。
逆に、濃いガラス(熱を遮りやすい)の場合、Low-E膜が室内側(断熱タイプ)でも「日射遮蔽型」に分類されるケースもあります。
また一般に、日射取得型で遮熱タイプのガラスはありません。つまり遮熱タイプならJISの判定は日射遮熱型となります。
まとめ
- 濃いガラスは、日射を遮るので「日射遮蔽型」になりやすい
- Low-E膜の位置が屋外側なら「遮熱タイプ」室内側なら「断熱タイプ」
- 遮熱タイプは日射遮熱型一択。断熱タイプは、日射遮蔽型、日射取得型の両方が存在
- JIS判定は、色と膜の位置の組み合わせによる最終的な日射熱取得率(η値)で決まる
設計時には「色」だけで判断せず、メーカーのスペック表にある日射熱取得率(η値)を必ず確認し、地域や方角に適した選択をしてください。記載した色や型の例はメーカーや商品で異なるためあくまでイメージです。

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