【解説】サッシの材質比較|アルミ、樹脂、鋼製など6種類 

アイキャッチ-サッシの材質

この記事では、窓(サッシ)の材質による特徴を解説します。窓は建物の性能(断熱・気密)やコストに特に大きく影響する要素です。性能・コスト・意匠性に加えメンテナンスのヒントも簡潔に比較します。

こんな方におすすめの記事です

  • 窓を選ぶ際の一般的な知識・教養としてそれぞれの特徴を把握したい方
  • それぞれの窓のおおまかな特徴を比較したい方
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サッシの材質 比較表

まずは特徴を簡単に比較します。あくまで、一般的な標準仕様を前提とし下記のポイントで比較します

  • 特殊なオーダーサッシは除く、一般標準的な仕様で比較
  • 非住宅用(ビル用)のサッシで比較
  • 木製サッシは非住宅では採用が少ないため参考値として記載
アルミ製アルミ樹脂複合樹脂製鋼製ステンレス製(木製)
耐候性
強度
デザイン
バリエーション
断熱性・結露×
施工性
コスト××
水密・気密
防火性能
自由度×

実際のサッシ図面の見方を知りたい方はこちら【完全保存版】サッシ図の基本|見方・読み方徹底解説

サッシの種類 特徴と選択基準

サッシの材質選定基準は、1.防火、2.断熱の優先順位で決定されるのが一般的です。
ビル用サッシ(非住宅)においては、コストとのバランスから基本は「アルミサッシ」が採用されますが、ZEB化の流れで「アルミ複合サッシ・樹脂サッシ」の採用が増えています。
一方、高い防火性能が求められる部位には「鋼製建具・ステンレス建具」が不可欠となります。

アルミニウム製建具(アルミサッシ)の特徴

サッシの材質-アルミ製サッシ
  1. 軽量かつ高強度
    アルミは鉄の1/3の重量で非常に軽量かつ高い強度を持つため大型の窓やドアが製作可能です。
  2. 耐久性、耐候性が高い
    アルミは腐食や錆びが起こりにくく、雨風や紫外線劣化に強く、屋外で長期間の使用に適します。表面処理(最も主流の陽極酸化複合皮膜)は一般に20年程度持つと言われます。年に数回の清掃程度で維持可能です。
  3. デザインの自由度が高い
    加工しやすいため、細いフレームや複雑な形状のデザインの製品が多く商品展開されています。
  4. 断熱性が低い
    金属の中でも特に熱を通しやすく、断熱性が低いのが課題です。ペアガラスなどを使用することで断熱性はある程度向上しますが、サッシ枠自体の結露を防ぐことは難しいです。商品の種類は少ないですが、枠の中間に断熱樹脂が挟まれているアルミ断熱サッシもあります(これはサーマルブレイク構造と言われ、アルミ樹脂複合サッシとは構造が違います)
  5. コスト特性
    1950年~60年代にアルミサッシの量産が始まり日本で休息に普及したため、現在でも普及率、窓種の豊富さやコストの低さで他の窓には大きく優っています。

アルミ樹脂複合建具(複合サッシ)の特徴

  1. 高い耐久性
    外部がアルミと樹脂(通常はPVC)を組み合わせた構造です。外部側はアルミサッシ同様の高い耐久性・耐候性を有します。内部の樹脂も耐候性の高いPVC製ですので総合的にメンテナンスが少なくて済みます。樹脂のメンテナンスは、水や中性洗剤で軽く拭き取る程度です。
  2. 断熱性と省エネ性能
    樹脂の断熱性が高いため、アルミサッシよりも大きく断熱性能が向上します。断熱性の向上で、省エネ性能の向上にも寄与します。ただし樹脂サッシよりは劣ります。
  3. 製作サイズの大きさ
    サッシの骨格となる材料はアルミニウムですので、樹脂サッシと比較すると大きな窓やドアを製作することが可能です。
  4. 内外色の組み合わせが可能
    アルミサッシや樹脂サッシでは内外単一カラーとなります。アルミ樹脂複合サッシでは、内外のカラーが変えられますので、多彩な選択できます。例えば外観はシャープなアルミ色、室内は温かみのある木目調のデザインも可能です。
  5. コスト特性
    非住宅用サッシ(ビル用サッシ)では、やっとここ10年ぐらいで商品バリエーションが増えてきて普及し始めた印象です。ただ、住宅用サッシではそのかなり前からアルミ樹脂複合は多かったので、メーカーに量産ノウハウもあり、コストは比較的低いです。

アルミ樹脂複合サッシについて詳しくはこちら【解説】「樹脂サッシ」「アルミ樹脂複合サッシ」比較

樹脂製建具(樹脂サッシ)の特徴

サッシの材質-樹脂製サッシ
  1. 非常に高い断熱性能
    樹脂は断熱性が非常に高く、枠の結露を防ぎます。また、樹脂サッシは、ガラスも断熱性の高いトリプルガラスなどが使用でき、総合的にも高い断熱性を持ちます。冷暖房効率の向上、エネルギー消費の低減に寄与し、室内の快適性を向上させます。
  2. 軽量ではない
    樹脂自体は軽量ですが強度が低く、特にサイズが大きいと鉄などの補強材が入るため、アルミサッシより高重量になることもあります。
  3. 耐久性が高い
    樹脂サッシは錆びや腐食の心配がないため、湿気の多い場所や塩害の強い地域でも長期間使用できます。
  4. バリエーションの少なさ、デザイン性が低い
    住宅サッシは樹脂商品のバリエーションが多いですが、アルミサッシに比べ窓種は少ないです。非住宅用サッシ(ビル用サッシ)では商品も窓種も種類が少ないです。そのため、特に寒冷地では木造用住宅用サッシを転用し非住宅に使う事例も見られます。また、強度が低いため枠や障子の見付、見込が太くなる傾向にあります。
  5. コスト特性
    今後、普及してくるとこは確実ですが、現在は普及率が低い事もありコストは高いです。

樹脂サッシについて詳しくはこちら【解説】「樹脂サッシ」「アルミ樹脂複合サッシ」比較

鋼製建具(スチールサッシ)の特徴

サッシの材質-鋼製建具

スチールドアの仕様や納まりについて詳しくはこちら【完全保存版】SD(スチールドア)の基礎知識

  1. 強度と耐久性、セキュリティが高い
    鉄自体が非常に高い強度と耐久性があるため、鋼製建具は強度が高く、防犯やセキュリティ面でも優れます。集合住宅だと玄関ドアは鋼製建具が多いです。
  2. 防火性が高く、断熱性は低い
    鉄は耐火性が高く、火災の炎に耐えることができます。アルミ製や樹脂製では20分耐火商品しかありませんが、鋼製建具は60分耐火製品(特定防火設備)を製作できます。同じ20分耐火の防火設備なら、鋼製建具の方がコストが低い場合もあります。また断熱性はアルミよりは若干高いものの、金属ですので高くはありません。
  3. 再塗装によるリフレッシュ
    アルミは独特の光沢感とヘアラインと呼ばれる流れるような模様があるため、傷の補修が難しいでが、鋼製建具の表面処理は塗装のため、塗替えできるのがメリットです。
  4. 多様な用途に対応できる自由度
    アルミや樹脂サッシの枠は形材と呼ばれ、形状が決まっています。しかし鋼製建具は曲物と呼ばれ、鉄板で自由な形状で製作できます。形状の自由度から、アルミシや樹脂サッシで製作出来ない、巨大なドアや、大きな窓、警察署や拘置所の特殊な窓まで様々な用途で使われます。
    曲物について詳しくはこちら【解説】曲げ加工って何?曲物の設計のポイント
  5. コスト特性
    一般的なサイズの建具では、アルミより高く、ステンレスより低い中間的な価格帯

ステンレス製建具(ステンレスサッシ)の特徴

サッシの材質-ステンレスサッシ
  1. 耐食性と耐久性
    ステンレスは錆びにくく、湿気や化学薬品への耐性も高いです。強度も高く、衝撃や摩擦に対して耐久性に優れます。
  2. デザイン性と自由度の高さ
    ステンレスは光沢のある仕上げが可能で、高級感や清潔感を演出できます。また、鋼製建具同様に曲物で製作されるため形状の自由度が高いです。そのため洗練されたデザインが実現でき、建築の顔となる部分で多く採用されます。
  3. メンテナンス性
    ステンレスは汚れが付きにくく、掃除が容易なため日常メンテナンスが少なく、常に美しい状態を保つことができます。特に衛生面が重視される場所ではその利点が際立ちます。
  4. 防火性が高く、断熱性が低い
    鋼製建具同様、特定防火設備、複合防火設備を製作可能です。そのため、エントランスなどでアルミサッシではできない意匠を、ステンレスサッシで実現する事例も多いです。断熱性はアルミ、鉄よりは優れるものの、樹脂よりは遥かに劣ります。
  5. コスト特性
    他の材料に比べて高コストです。表面処理が多数(HL、鏡面、バイブレーション等)あり、コストにも大きな幅があります。

木製建具の特徴

サッシの材質-木製サッシ
  1. 自然な美しさ
    天然素材ならではの木目や質感が魅力で、温かみのを演出します。インテリアに自然の魅力を与え、居心地の良い空間を作り出します。
  2. 優れた断熱性と環境への配慮
    木材は樹脂よりも断熱性が高く、室内の快適性が増し、エネルギーの節約が可能です。また、木材は再生可能であり、二酸化炭素の吸収や排出量の低減も期待されるため、環境負荷の低い建材と言えます。
  3. 自由度の高さと加工の容易さ
    木製建具は加工が容易で、複雑なデザインに対応可能です。カスタマイズ性が高く設計ニーズに応じて柔軟に対応が可能です。
  4. 修復の容易さ
    木製建具は、傷や汚れが付いた場合でも研磨や塗装などのメンテナンスが比較的簡単です。そのため、長期間使用することが可能です。
  5. コスト特性
    価格は木材の種類や加工方法により異なります。一般に高品質な木材では初期費用が高くなりますが、長期的にはその美しさや耐久性からコストパフォーマンスに優れる場合があります。

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