住宅サッシの寸法には規格サイズがあり「11970」「15018」「16020」のような5桁の特有の呼称があります。この記事では木造用住宅サッシの寸法の読み方や、サッシの開口寸法の計算方法、基本納まり図のポイントを解説しています。はじめて住宅サッシを扱う方におすすめの内容です
住宅サッシの寸法の読み方
上図は木造住宅の平面図と立面図に窓(サッシ)の詳細が記載されています。記載方法はさまざまですが、一般的に下記となります。
- 上段:窓の種類「引違い2枚建て」
- 中段:サッシの寸法(商品規格番号)「11970」
- 下段:ガラスの種類「型ガラス」
※ガラスの種類はこちら【解説】窓ガラス全16種類|特徴と選び方
中断に記載されているサッシの寸法は、商品規格番号とも呼ばれ表記のルールは
「サッシ内法幅の呼称W:3桁」+「サッシ内法高さの呼称H:2桁」=「サッシ寸法5桁」
で表現される数字です。つまり「11907」は下図のように「サッシ内法基準w=1195」「サッシ内法基準h=700」を示します。内法基準寸法はアングルピース(アンピ)の内法です。
以下は注意事項やサッシ寸法の特徴です。
- 木造用住宅サッシ、住宅用ドア特有の表現方法で、RCなど非木造の製品ではこの呼び方はしない
非木造のビル用サッシについてはこちら【完全保存版】サッシ図の基本|見方・読み方徹底解説 - 丸窓や天窓もこの呼び方は適用しない
- 呼称Wの3桁は1mm単位、呼称Hの2桁は10mm単位は無視し表記しない。そのため、例えば樹脂窓で呼称H「07」基準内法h「710」のような製品もあり、詳細寸法は必ずカタログを確認必要
- 業界標準寸法が規定されているが、標準規格外の製品もあるため実際の内法寸法はメーカーカタログを確認する
サッシ取付開口寸法について
サッシを取付る木の開口(サッシ下地、窓下地)寸法は、サッシ外法WHにクリアを足した寸法です。サッシ外法寸法WHは
サッシ外法W=サッシ内法w+枠見付40mm
サッシ外法H=サッシ内法h+枠見付70mm
※納まり詳細図で寸法を確認したい場合はこちら
開口寸法ROWは柱の内法寸法、ROHは窓台の上端からまぐさの下端の内法寸法で、下記で計算します。
開口寸法幅ROW=サッシ外法W+クリア10mm=サッシ内法w+50mm
開口寸法高さROH=サッシ外法H+クリア5mm=サッシ内法h+75mm
以下は注意事項です
- サッシ外法WHとサッシ内法whの寸法の関係は業界標準で統一されているため、基本はどのメーカーも同じ寸法体系
- サッシ枠から開口までのクリアランスを5mmとしたが自由に変更可で、開口下地の精度や人により異なる
- サッシメーカー推奨ROW、ROHはカタログの寸法表に記載あり。但し枠見付が数種類ある場合などは記載が無く、該当の図面を見て判断する
- 木額縁(窓枠)の見付寸法が20mmより太い場合、Wのクリアランスはさらに大きく取る必要がある
- 隠し框の商品では、内法寸法と内法基準寸法が異なるため押えに注意しカタログを確認
- 2×4の掃き出しサッシ下枠は2種類設定があるためカタログを確認
サッシ寸法早見表(規格サイズ表)
アルミ樹脂複合サッシの一般的なサイズの寸法早見表の一例です
- 水色は業界標準規格寸法のため、各メーカーのほとんどの商品でラインナップされている
- その他は、標準規格外だがメーカー標準として採用されている場合が多いサイズ
- この表以外の寸法でも1mm刻みでオーダー製作できる製品が多いが、コストと納期に影響
- 呼称H18~24(内法基準h1800~2400)はテラスタイプ(掃き出し窓タイプ)のため寸法押さえに注意
- Wはサイズにより4枚建てのみ対応。各メーカー製品カタログによる
住宅サッシ基本納まり図
引違い窓(窓タイプ)
- 内法基準hに上下枠見付30mm、40mmを足すと外法H、内法基準wに両縦枠40mmを足すと外法W
- 下枠は窓台に乗せるため、サッシ開口下地クリアランスは上のみ設ける
- サッシ開口下地とサッシ枠の間はスペーサーで調整する
引違い窓(テラスタイプ、掃き出し窓タイプ)
基本的には窓タイプと同じ納まりですが、下枠の納まりと外法Hの押えが異なります。掃き出し窓は下枠が床と取り合うため、アングルピース内法がH寸法押さえとなり注意が必要です。
外法H=内法基準h+上枠見付30mm
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