この記事では、一般的に使用される代表的なドアの種類と、特徴をわかりやすく体系的に解説します。
こんな方におすすめの記事です。
- ドア種類と詳しい特徴を知りたい方
- エントランスや出入口のドアを選ぶ時に選定基準が分からない方 など
ドアや扉に関する用語がわからない方はこちら 建具(窓・ドア)用語集・用語解説
スチールドアの仕様ついて詳しくはこちら 【完全保存版】SD(スチールドア)の基礎知識
ドアの種類とは
明確な区分けの基準があるわけではありませんが、大きく3つの観点で分類分けができます。
- 扉の種類
- 開閉形式、駆動方式
- 防火性能
窓の種類はこちら 【完全保存版】窓種(開閉形式)38種類を解説|特徴と技術情報
扉の種類

姿図の簡易表現(開閉表示記号)はこちら 建具(窓・ドア)の図面記号一覧
框ドア
エントランスや店舗でアルミ製ドアやステンレス製ドアの框扉タイプが多く採用されます。扉が框で構成されガラスが入ります。また特殊な派生製品としてアルミ製ドアでは、扉に上げ下げ窓が組み込まれた「通風ドア」と呼ばれる商品もあります。
フラッシュドア
室内の間仕切りやバックヤードや住宅の玄関などで使用され、木製やスチール製が多いです。表面は薄い化粧面材で内部に力骨を組む構造か、もしくはハニカム構造の芯材で構成され、適度に軽く強度も担保されます。
またスチール製ドアには、通常使用される両面に化粧材を貼った「両面フラッシュドア」と、点検口やマンションのメーターボックスで使用される「片面フラッシュドア」があります。両面フラッシュドアでは、ドアクローザーやレバーハンドルを使用しますが、片面フラッシュでは、ワイヤーストッパーや平面ハンドルや点検口錠を使用するなど部品にも違いがあります。
強化ガラスドア
テンパードア(テンパドア)
強化ガラスで構成された意匠性の高いドアです。厚さは通常12mmです。テンパードアは建具工事では無く「ガラス工事」で発注されます。
一般にテンパードアはフロアヒンジドアか、自動ドアで使用されます。上下の框はステンレス製(一部アルミ製もあり)で、框の位置で種類が分かれます。よく使用されるのは以下3種類です。
- スタンダード型 ・・・上下に框が付くタイプ。フロアヒンジドアでは軸受けと錠前が付く。自動ドアは基本このタイプのみ
- コーナー2型 ・・・フロアヒンジドアの軸受け部にプレートを設置。錠前の取付は不可
- コーナー3型 ・・・2型の戸先側にもプレートを設置し、錠前を取付るタイプ
他にも、下のみスタンダードで上コーナーや縦にプレートを付けた丁番タイプなど、バリエーションも多いです。
スリム框ドア
「強化ガラスドア」と言えば一般的に「テンパードア」のイメージですが、ナブコの「ロスカドア」に代表されるスリム框商品も強化ガラスドアです。テンパードアと違い縦に細い框が付きますが、框のみでは強度が不足するため強化ガラスで製作されます。最近ではテンパードアは採用は減り、逆にスリム框ドアが増えています。
理由として以下の特徴があげられます。
- ステンレスだけでなく、アルミ製もあり、サッシ枠本体と色を揃えることができる
- 縦に見付12~15mm程度のスリム框が付くため、4方框が回る
- 縦框にATゴムも付くが、あくまでテンパードアに比べ隙間風が防げる程度で、JIS基準の気密性能は保持しない
- 全く框が無いより、スリム框がある方が逆に意匠的にバランスが良いと感じる場合も
スリム框ドアはガラスも含め「建具工事」の場合が多いです。価格も高いので、ゼネコン担当者は発注がガラス工事と被っていないか注意ください。代表商品はナブコ「ロスカ」、寺岡「アルクラッセ」、LIXIL「フロンテック」、YKKAP「ルクセラ」
開閉形式や駆動方式

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開きドア(片開きドア・両開きドア)
丁番ドア
縦枠の丁番で開閉するドアで、開きドアで最も一般的な製品です。丁番には種類がありますが、使用頻度が多いのは旗丁番です。枠側と扉側が分かれており、軸が太く重量のある扉にも使用できます。ドア1枚に対し、3か所付くのが一般的ですが、扉重量で丁番のサイズや数量が変わります。この選定は建具業者が検討します。
また丁番には自動開閉機能がないため、開放操作は手動で、閉鎖は扉の上のドアクローザーが動力となります。また、ドアクローザーを利用しない場合にオート丁番と呼ばれる、自動閉鎖機能付きの丁番を使用します。ただドアクローザーが無くなる代わりに、オート丁番はかなりサイズが大きい為、外観の意匠には注意です。
ピボットヒンジドア
ピボットヒンジは「PHドア」とも呼ばれる開きドアの開き金物の一種で、機能は丁番と同じです。部品が床付近と天井付近の上下枠のみに設置されるため丁番より意匠性に優れます。また間違われやすいですが、丁番と同様に自動開閉機能はないため、ドアクローザーの設置が必要です。
フロアヒンジドア
フロアヒンジドアは「FHドア」とも呼ばれ、エントランスなどで利用される開き方向に制限のない自由開きドアです。フロアヒンジは開閉部品と自動閉鎖機能を合わせもつ装置です。フロアヒンジは床に埋め込むため、開閉部品が露出せず、ドアクローザーも不要で意匠性に優れます。ただし、ドアが内外に稼働するため下枠がフラットとなり、気密水密がありません。
自由開きドアですが、片側に固定ブロックを取り付ける事で、片開きに変更することも出来ます。
折りたたみ戸・折れ戸
折りたたみ戸は、障子が折り畳まれるように動作するドアです。一般的には、住宅でクローゼット、浴室、などで使用されます。アルミサッシでは超大開口が可能な商品があります。
メリットは、
- 開きドアに比べ前後のスペースが小さく済む
- 全開放出来る為、引き戸と比べ有効開口が大きくなる
- 仕様にもよるが10mの大開口も可能
- コーナーの意匠がコーナー方立無しで出来て、全開放可能
- 段付き下枠では、高い水密性能(W-5)確保可能
デメリットは、
- コストが高い点
- 障子一枚一枚のWサイズが小さいため、閉めた時の意匠性と眺望性は悪い
- フラットの下枠では水密性が無い、または悪い
自動ドア(シングルスライド、ダブルスライド)
モーターなどを用いて自動的に開閉するドアで「エンジンドア」も同義語です。
自動ドアの種類(開閉形式)
大きく以下4つに分けられます
- スライドドア・・・一般的自動ドアの形式。シングルスライドとダブルスライドがある
- ワイドオープン型(袖全開放型)・・・通常時はスライドドア、避難や搬入の時に袖のFIXが開放
- 開き戸・・・馴染みは無いが開き戸タイプ自動ドアもある
- 折れ戸・・・馴染みは無いが折れ戸タイプ自動ドアもある
多くの自動ドアは「シングルスライドドア」です。「ワイドオープン型」はカーディーラーなどで良く採用されます。また「開き戸」と「折戸」は設置場所の幅制限が厳しい場合に、やむを得ず選択されますが、日本人に馴染みがないため、自動と気付かずに手で押されて破損するなど運用面の難しさもあり、一般利用者の通行しない裏口などでの採用をたまに見かける程度です。
自動ドアの主要部品一覧
スライド自動ドアのサッシ枠内に設置される部品を総称し「エンジン装置」と呼び以下の部品で構成されます
- センサー:人の接近を感知
- コントローラー:開閉を制御する装置
- ドアエンジン:扉を動かすモーター
- プーリー:ドアをロックする部品。内蔵の電磁ロックでドアを拘束
- ドアハンガー、エンジンレール:ドアをスライドさせる部品
自動ドアのセンサー
- 起動センサー:「人感センサー」「タッチスイッチ」「圧感マット」「カードリーダー」など。人感センサーで最も普及しているのは光線反射方式(赤外線センサー)で無目付けと天井付けがある
- 補助センサー:安全性向上のためのセンサーで、ドアの召合せ框や縦枠に設定される
引戸(下置き、レールタイプ)
引き戸は日本の伝統的な家屋で使われる雨戸やふすまなどの形式です。下枠がステンレスなどのレールで、障子は下置きでその上を可動します。引違い窓のノンレール仕様と似ていますが、レール形状がシンプルで、水密性が無いのが特徴です。
室内の間仕切りなどで木製ドアが多く使用されますが、調理場など水に濡れる場所ではアルミ製やステンレス製を使用します。
「引違い戸」も同義です
ハンガードア(片引きドア、引き分けドア)
引戸と違い上吊りです。レールとハンガー装置は上枠や無目に内蔵されます。
ハンガー引き戸の特徴は
- 下枠を完全フラットに出来る、下枠無しも可能。下置きタイプの引き戸は下枠レールが必要
- 上吊りでも部屋で床材質が異なる時は床見切材として下枠を設置する
- 閉鎖時に自動で動く半自動タイプがある(引き戸クローザー)。上枠や無目の見付は太くなる
- 工場などの重量が重い巨大な扉も製作可能
- 同サイズなら下置きタイプ引き戸よりもコストが高い
防火性能
アルミ製ドア
防火設備:〇 特定防火設備:× 複合防火設備:×
※防火設備は特殊製品で、窓種は限られます
アルミ樹脂複合ドア
防火設備:〇 特定防火設備:× 複合防火設備:×
※防火設備は特殊製品で、窓種は限られます
樹脂製ドア
防火設備:〇 特定防火設備:× 複合防火設備:×
※防火設備は特殊製品で、窓種は限られます
スチール製ドア
防火設備:〇 特定防火設備:〇 複合防火設備:〇
※性能規定により枠1.6t/扉1.2t以上が必要
軽量スチール製ドア(LSD)
防火設備:〇 特定防火設備:〇 複合防火設備:×
※芯材が水酸化アルミコア等となる。特定防火設備は限定的
木製ドア
防火設備:〇 特定防火設備:〇 複合防火設備:〇

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